2023.05.16 Tuesday
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ゲームに全力って、だめですか?通称「ゲムだめ」です。
ゲーム、特に最近気になりだしたゲームデザインについて、 色々語るつもりなんですが、それだけじゃなくて日々の色々を書きそうです、多分。 2006.05.14 Sunday
絢爛舞踏祭
絢爛舞踏祭
舞台は22世紀の火星。「人類」という言葉が消滅し、猫やイルカが言葉を喋れ それらの、人ではないものも含めた地球人が「知類」として、宇宙に進出した世界 水の星として生まれ変わった火星の、夜明けの船という戦艦で、主人公は目覚める この世界は、「戦争をしなければ、経済が破綻してしまう」という状態に陥っている 戦争をしなければ、多くの人が失業し、餓死してしまい 戦争をすれば、その結果で、多くの人が戦死してしまう世界 プレイヤーは、この大きなジレンマから世界を救うため、この世界に100年の平和を創るために 現実世界から、ゲームの世界に介入している、という設定だ しかし、この濃厚な世界観は、無視しても構わない プレイヤーが実際に相手にするのは、一隻の戦艦の中で共に生活する、30人ほどのクルーである このクルー達には、それぞれAIが搭載されており、そのAIに従ってクルーたちはそれぞれの生活を営む 仕事中はそれぞれの持ち場に就き、黙々と業務をこなし 腹が減ったら食堂で飯を食べ、誰かと会話し、時に喧嘩し、時に愛し合い 戦闘が起これば持ち場に就き、戦艦やRBと呼ばれる戦闘機を動かして、敵を倒し 夜になれば、また眠くなれば、それぞれの部屋で眠りにつく もう正に、生きているのである それぞれのキャラクターが、人間臭くてリアルで生き生きしている、ではなく 正に生きているのだ。未来の世界の、潜水艦の中で その状況の中、プレイヤーは、自由に生活ができる パイロットになって、敵の戦艦を駆逐するのもいいだろうし 艦長になって戦艦を指揮するのもいいだろう ただ何もせず、クルーとのコミュニケーションを楽しむのもいいし 攻撃を受けた戦艦の修理に走り回ってもいい 一応、「100年の平和をもたらす」という目的は設定されているものの この目標に従うことは強制されていないし、それさえも自由になっている そう、とにかく自由なのだ 未来の火星の、一隻の戦艦という舞台は用意され そこに最新のAIによって動く、30人ほどのキャラクターも用意され あとはプレイヤーのやりたいことを、自由にやってください、というゲームなのである かなり前から自由度の高いゲームが好きだった僕としては、これ以上はないんじゃないか とさえ思える、自由なゲームだったのだが、意外にも楽しめなかった 原因は何かと考えて、行き着いたのが、ガンパレードマーチの面白さだった ガンレードマーチ(以下ガンパレ)というのは、この絢爛舞踏祭を作ったのと同じ アルファシステムという会社が作った、これもまた、自由度を売りにしたゲームである 思えば僕は、絢爛舞踏祭に、ガンパレの面白さを期待していたわけなのだが 絢爛舞踏祭は、既に説明した通り、本当に全てが自由なゲームなのである 目標をどうやって達成するかだけでなく、どんな目標を立てるか もしくは、目標を立てるか立てないか、それさえも自由なゲームなのである これはどういうことかというと、つまりプレイヤーが、能動的に、自分から動かなければ 目標を立てることもなく、ただ日々の繰り返しを、戦艦の中で過ごすゲームになってしまうのだ 仮に「100年の平和をもたらす」という目標を達成しようとしても、一体何がその目標に対して有効で 何をしてはいけないのか、それさえも知らされることなく、ゲームは開始される そしてある程度プレイを続けても、それらは漠然としたままゲームは続く 世界をシミュレートしたゲームなのだから、「100年の平和をもたらす」というのが漠然としているのは ある意味では、リアリティということなのだろうが、その点においてゲーム性はない だから駆け引きなんてものはなく、戦艦の中の人とテキトーに雑談を繰り返す ダラダラな日々が続いてしまうのである 対するガンパレの方は、偶然の産物かもしれないが、この点が非情に巧くできている 世界観が「人類の天敵と戦争中」という、とんでもない非情事態であり 仮にプレイヤーが何もしなくても、勝手に戦争が起き、戦闘員は勝手に戦場に連れて行かれる そしてもし、この場でプレイヤーが何もしていないと、戦争で苦戦を強いられることになる つまり、プレイヤーを能動的に仕向けるように、ゲームが作られているのである この差、「プレイヤーが能動的であることを前提にしている」という絢爛舞踏祭と 「プレイヤーを能動的にさせる」というガンパレとの差が、ゲームとしての面白さに直結している気がする もちろん、だからきっと、能動的なプレイヤーならば、このゲームは非常に面白いゲームになるのだろうが 絢爛舞踏祭が要求する「能動的」というのは、異常に敷居が高い気がする なにせ、絢爛舞踏祭では、自分で目標を作らなければならない いや、もちろんガンパレなどの自由度の高いゲームでは 自分なりの目標、自分なりのプレイスタイルというのが、自然に形成されて、楽しめるものなのだが 絢爛舞踏祭では、その自分なりのプレイスタイルというのを、予め決めておかなければならない 例えばガンパレでは、勲章を取る、というやらなくてもいいことが、 プレイヤーの目標として設定できるようになっていた しかし絢爛舞踏祭では、そういった目標になるものはほとんど存在せず 仮にあったとしても、それは簡単にクリアできる、通過儀礼程度のものでしかない だからプレイヤーは、自分がプレイするに当たって達成したい目標を どんなふうに達成するべきか、など細かいところまで設定しなければ、ゲームを楽しめないのである 確かに、自由度の高いゲームというのは、面白いと思う 色んなことができて、色んなことがやらなくてもよくて、選択の余地がある しかし、ゲームをプレイする目標や、意味さえも、プレイヤーに自由に作らせる、というのは 少なくとも、僕の求めていたゲームの面白さではないなぁ、と思ってしまった ゲームがゲームらしくあるために、必要なものは、少なくとも自由だけではないのだろう、なんて しかし、シミュレータという意味で言えば、これほどよく出来たゲームもないと思う 世界があって、独自に動くキャラクターが30人もいる ガンパレや、ゲーム的な面白さは期待できないけれど、こういうゲームがあってもいいか なんて思ったりもする、そんな不思議なゲームだ 58点 関連レビュー 高機動幻想ガンパレードマーチ コメント
はじめまして。
偶然このブログにたどり着いたのですが 自分とプレイしてるゲームが ここまで近い方は初めてです。驚きました。 幻水やバンピートロット、ガンパレ、 ガンオケ、絢爛・・このあたり大好きなんですよね。 >「プレイヤーが能動的であることを前提にしている」という絢爛舞踏祭と 「プレイヤーを能動的にさせる」というガンパレとの差が、ゲームとしての面白さに直結している気がする この指摘に唸らされました。 ガンパレはとにかく黙ってても 何かしら起こるんですよね。 ガンオケや絢爛はプレイヤーが ストーリーを自分から作り出すようなゲームに したかったのでしょう。 絢爛はともかくガンオケは黙ってたら 何にも起きないですもんねw これからもちょくちょく遊びに来ますね。
| サンドボックス | 2015/03/12 2:13 PM |
>サンドボックスさん
まさかこれほど前のレビューの、しかもこのマイナーなゲームに関しての記事でコメントが貰えるとは! 感激です!笑 そして、そんなコメントへのお返事が遅くなりまして、すみません^^: そして久々過ぎて、僕自身も、自分の書いたことにハッさせられましたw ガンパレはもちろん、絢爛もガンオケも好きな自分としては、クソゲー扱いされてることに、納得できなかったので、絞り出した言葉なような気がします。 ゲームの趣味が合うようなので、ぜひぜひ今後もコメントください。笑
| うたまん | 2015/03/18 7:56 AM |
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