ゲームに全力って、だめですか?

通称「ゲムだめ」です。
ゲーム、特に最近気になりだしたゲームデザインについて、
色々語るつもりなんですが、それだけじゃなくて日々の色々を書きそうです、多分。
ペルソナ3
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    ペルソナ3


    まず、何はともあれ、このゲームを終わらせられたことに対して、自分なりによくやった、と自分で誉めてみたいと思う。いや、確かに暇な大学生で、ゲームプレイに関しては、徹夜でプレイすることも多々あるし、実際このペルソナ3の時にも、何度かそんなプレイを経験したのだけれども、それとは少し次元の違う話なので、まずは100時間以上かかったこのゲームをクリアできたことを、祝いたいと思う。

    なにせ既に、後日談が追加された、ペルソナ3フェスが発売されているので、今更このオリジナルの方をプレイするという人がいるのか微妙だけれど、少なくともこのペルソナ3をもしくはフェスを、プレイする人にはよりいっそう、気をつけてもらいたい。本当に、プレイ時間の長いRPGだから。

    そもそもこのゲーム、ある一点でのみだが、壮絶に戦闘のバランスが悪い。主人公を含めて最大4人のパーティなのだが、実は主人公が戦闘不能になった時点でゲームオーバー。それに加えて、光属性と闇属性という、2種類の魔法が即死効果を持った、ドラクエで言うところのザキのようなものであるため、ふとした瞬間に主人公が死に、そのままゲームオーバー。今までの数時間がパー。ということが、終盤になっても絶えなかった。まぁ、この辺は学習しない僕にも問題があるのだけれど、それにしてもこの戦闘のバランスはどうなのだろうか。シリーズもののペルソナだけに、おそらく過去の作品もそうなっているから、今作も踏襲したのだろうが、だとしたら主人公一人が戦闘不能になるだけでゲームオーバーというシステムは、無くて良かったんじゃないかと思う。

    しかし、こんなちょっと理不尽なシステムも、まぁしょうがない、と思えるほど、プレイを続けたくなるゲームであり、今挙げたような例に遭遇したとしても、そのままプレイし続けてしまう、それほどこのゲームは面白かった。何故なら、戦闘のみならず、ゲームを通してクリアしてみて、不満だと思ったのが、今挙げたちょっと理不尽なバランス、この一点のみ。それ以外では、戦闘システムも、シナリオも、世界観も、その全てが僕のツボにハマった、素晴らしいゲームだった。


    物語は、高校2年生の主人公が月光館学園という学校に転校してくるところから始まる。転校初日、寮への道を歩いていた主人公は、突如奇妙な現象に遭遇する。それは、一部の人間にしか感知できない、一日と一日の間に存在する1時間、影時間だった。

    主人公は、この影時間を感知でき、尚且つこの影時間に出現するシャドウという化け物を倒せる、ペルソナ能力に目覚めたことで、特別課外活動部の一員となる。そして影時間の間はシャドウと戦い、それ以外の時間は学生として、日々生活していくことになる。

    そもそも僕は、ガンパレードマーチをプレイしたときから、日常と非日常が両立する世界観、というのは大好きで、このペルソナ3も正にこのタイプの世界観。普段は学生生活で、他キャラクターとコミュニケーションを取りながら、影時間になるとシャドウとの戦いに身を投じるわけで、この世界観の点で僕の好みにハマったのが、評価を上げている原因の一つなのは否めない。しかし、そういう好み云々を考慮しても、やっぱり面白いと思う。

    まず、一応の基本となる日常パート。これは、ゲームの中で実際に1日1日を過ごしていくことになるのだが、朝学校に行って授業を受けて、午後は部活に勤しむ、など本当の学校生活に近い流れを、主人公が体感できる。まぁ実際は、朝学校に行くのは強制だし、自由行動は放課後と夜間、選択肢が出るのも、ときどきイベントで発生する授業中くらいで、大体は時間帯が表示されるだけで飛ばされていく。しかし、この不必要な部分は飛ばしてくれるのが、ゲームプレイのテンポを崩すことなく、尚且つ自由に行動できる箇所を置くことで、ただムービーを見るゲームにもなっておらず、非常にバランスの取れた作りになっていると思う。ただ、これは僕がこの日常パートの部分が好きということもあっての評価なので、正直なところ1日1日を過ごすのはうっとおしいと考える人も少なくないとも思える。ただ、そういう人のために、自由時間をさっさと済ませる選択も用意されているので、やはりそれなりにバランスは取れているのではないか。

    また、この日常パートでは、コミュニティというシステムがある。このシステムは、日常パートで知り合ったキャラとの間に、それぞれの「コミュ」ができ、それぞれのイベントをこなしていくことで、それぞれのキャラクターのシナリオを見ることができる。また、イベントを進めていくとコミュのレベルが上がり、このレベルが、主人公の使うペルソナの力に影響を及ぼすため、おそらくこのコミュこそが日常パートのメインだろう。それぞれの話にも面白いものがあったりして、コミュのレベル上げのためにこなしているのか、続きのシナリオを見るためにこなしているのか、分からなくなるくらい楽しめた。

    そして、その日常パートが終わり夜になると、影時間がやってくる。この影時間では、シャドウ出現の秘密の鍵を握るとされる、タルタロスというランダムダンジョンを上っていく。それ以外にダンジョンはないし、目的もないため特にイベントがない限り、終始このランダムダンジョンを踏破していくのだが、さすがに黙々とランダムダンジョンを進んでいくのは飽きがくる。それでも飽きずにプレイし続けられたのは、おそらくこのゲーム独特のワンモアプレスシステムのおかげだと思う。

    ワンモアプレスシステムとは、敵の弱点の攻撃タイプで相手を攻撃した場合、もしくはクリティカルヒットを出すなどによって、相手をダウン(1ターン行動不能)にすると、もう1度ダウンにしたキャラが行動できるというシステム。このシステムの凄いところは、立て続けに相手の弱点を付けば、ずっと主人公のターン、ということができるようになっており、しかも敵全員をダウンさせれば、総攻撃になり、かなり強烈なダメージを敵全体に与えることもでき、爽快感も抜群。しかし、総攻撃という点以外のシステムは、敵味方関係なく付随するため、相手にいきなり先制を取られ、たまたま相手の魔法が弱点魔法だった場合、主人公がダウンしてしまい、いきなりピンチ!ということにもなりうる。そのため、かなりの強敵相手に楽に勝てることもあれば、逆にかなり弱い敵にゲームオーバーの危機に晒されたりと、戦闘のバランスが絶妙。ボス戦でもないのにある程度の緊張感のある戦いを余儀なくされるこのシステムは、実に面白かった。


    このような2つのパートを、時に強制的に、ほとんどは選択し、必要がなければ影時間は普通に寝て過ごして、主人公は高校2年生という1年間を過ごしていく。影時間の戦闘、日常のコミュも、もちろん飽きさせないための仕掛けとして十分機能していたと思うが、何より大きかったのは、やはりこの1年間を通して主人公が経験していく、一番大きな本シナリオだろう。シャドウとは一体なんなのか?影時間になるとタルタロスに変化する月光館学園とは?などなどの大きなシナリオが展開されていく。
    正直なところ、途中までは薄いキャラクターとの相乗効果で、どっかその辺にありそうなセカイ系のシナリオだなぁ、と甘く見ていたのだが、最後までプレイしてみると、感動と呼べるものを体感できるほど素晴らしい。また、シナリオそのものの出来もそうだが、何よりも僕が特筆したいのは、そのタイミングである。ちょうど日常パートや影時間の戦闘に飽きた頃、それを見計らったかのように、新しいイベントが起こり、日常や影時間に大きな影響を及ぼしていく。このタイミングの良さは一体なんなんだろう?と毎回思っていたのだが、とにかく飽きを作らず、グイグイと物語に引き込んでいけるのは、実にゲーム作りに慣れている感じで好印象。シナリオの中身ももちろんだけれど、こういうプレイヤーを引き付ける何かを、いつどのタイミングで出すのか。それを考慮しているゲームというのは少ないように感じられる。少なくとも、このペルソナ3は、それを考慮したゲームのシナリオらしいシナリオを成功させていると思う。

    また、まるでRPGの戦闘BGMとは思えない、英歌詞付のスタイリッシュな音楽に代表されるように、このペルソナ3というのは、作品を通してその独特の雰囲気を貫き通している。カッコイイと思うかどうかは、それぞれの感性によるものなので、その点はとりあえず僕にとって斬新で良かった、というだけに留めるが、その斬新さをゲーム全体の雰囲気として作り上げているのは、素直に驚いた。音楽も、オープニングも、ところどころに入るアニメも、作品全体で貫き通された雰囲気の外に漏れず、一貫して作り上げられている。しかもそれが、他のゲームに類を見ない、スタイリッシュな形で。これは、実は凄いことなんじゃないかと、他の似たようなものを知らない僕には少なくとも思えた。

    そしてそして、このゲームでは特に目立つ、パーティキャラクター、つまり特別課外活動部の面々のことも、書いておかなければならないだろう。一見、それぞれが、ただのお調子もの、それにツッコミを入れるしっかり者のヒロイン、カッコいい先輩方、という在り来たり過ぎるメンバー。しかし、シナリオが進むに連れて、共にダンジョン攻略を進めるに連れて、それぞれのキャラを見る目は、間違いなく大きく変わる。それだけのキャラクター構築が、しっかりと出来ている。
    おそらく、このキャラクター構築に大きく関わっているのは、イベントでの彼らのセリフでも、声優の活躍でもなく、寮での一時における会話だろう。夜の自由時間、大体の仲間たちは、寮の1階のラウンジで、それぞれの好きなことをしているのだが、この描写が凄く細かい。一人のキャラクターをとっても、ただ椅子に寝そべったり、他のキャラと喋ったり、カップ麺を食べたり雑誌を読んだり・・・そのうえ、このキャラクターそれぞれに話しかけることができ、特にしなくてもいい会話を聞くことができる。このどうでもいい会話こそ、ドラクエなどで全てのキャラに「はなす」をしてきたプレイヤーにとっては、たまらない要素である。キャラクターの内面や、世界観に関する話、あるいは単なる好みの話まで、とにかく色んな話を聞け、それが面白い。


    と、まぁこんな感じで、僕の好みにピッタリだった、ということももちろんあるのだけれど、それを抜きにしても、オススメしたいゲームだと思う。ちょっと硬派なRPGを求めてる方、最初の導入部は、やたらとムービーばかりで自由に動けるところが少ないのだけれど、それさえ超えれば、日常と非日常の織り交じる、面白い高校生での1年間が待っている。ぜひともプレイして欲しい。
    97点



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      なるほど、時間はかかるけど中弛みせず
      プレイできたというのがうかがえますな。
      時間があるときの選択肢の一つとして
      頭に入れておきたいと思いました。
      | にゃーす | 2007/10/27 9:12 AM |
      >にゃーすさん
      中弛みはしないんですが、やっぱりプレイ時間はかなりかかってしまうんで、結構な時間が必要かなぁとか思ったりw
      まぁそれさえあれば、というかハマればホントにずっと続けたくなるゲームなんで、オススメです、はい
      | うたまん | 2007/10/27 10:27 PM |









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