ゲームに全力って、だめですか?

通称「ゲムだめ」です。
ゲーム、特に最近気になりだしたゲームデザインについて、
色々語るつもりなんですが、それだけじゃなくて日々の色々を書きそうです、多分。
サイレン
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    サイレン


    レビューに際してこんなことを言うと、ふざけてると思われるかもしれないのだけれど、実は僕はこのゲームをクリアしていない状態で、今この文章を書いている。
    というのも、怖さはもちろんのこと、あまりにも難易度が高くて、僕にはクリアができそうにもないから、投げてしまったのがその理由なのだが、それにしても、このゲームは色んな意味で面白いと思うので、クリアはしていないけれど、このゲームについて色々と語ってみようと思う。

    赤い海からサイレンが響き、一つの村が消えた。
    村は寸断され、歪められ、内陸にあるはずもない、赤く染まった海に囲まれていた。
    そして屍人が現れ、人はその数を徐々に減らし、また一人、また一人と屍人へと変貌していく。

    そんな状況の村に閉じ込められ、辛うじて人のままである何人かを操作し、プレイヤーは一人でも多くの人間をこの村からの脱出させるのが目的。
    で、このゲームの何が難しいかというと、まず敵キャラである屍人。
    この屍人というのは、元は普通の人間なのだけれど、この怪奇現象の際にゾンビみたいになっていて、恐ろしいことに絶対に死なない。
    銃で撃っても、倒れはしても、そのうち蘇ってしまうために、一度倒しても緊張が解けることはほとんどない。
    そのうえで、各ステージには、銃を持った屍人が必ず存在しており、最悪の場合スナイパーライフルを持った屍人が存在し、プレイヤーを見つけ次第撃ってくる。
    このスナイパーライフルというのが、物凄く厄介で、これを持った屍人に見つかると、死、つまりゲームオーバーを覚悟しなければならないほど。
    そのうえ、プレイヤーを操るキャラクターや、そのキャラに付いて一緒に逃げる味方キャラなどは、銃弾1発か2発で死んでしまうため、本当に1ステージ1ステージのクリアが難しい。
    むしろプレイ中に、これクリアさせる気があるのか?と思ってしまうほど・・・
    いくらリアリティを追求するといっても、もう少しくらい融通が利いても良かったような・・・


    しかし、問題にすべきはその難易度だけ、と僕は思っている。
    それほど、このサイレンというゲームは、凄いホラーゲームだ。
    まず、特筆したいのが、視界ジャックというシステム。
    これは、他のキャラや屍人の視界を、覗き見れる、というシステムで、村が赤い海に囲まれたのをきっかけに、その住民全員に等しく発動した能力らしく、どのプレイヤーキャラクターでも使うことができる。
    操作が少し厄介なのだが、それを覚えると、敵の屍人の視界を見ることができるため、かなり攻略に役に立つ。
    そして、攻略に役に立つのはもちろんのこと、自分は隠れているつもりだったのに、敵の視界で自分を発見したときの、あの恐怖感。
    敵と同時に自分がバレたことに気づき、その瞬間走る緊張と恐怖は、絶対にこのゲーム特有のものだと思う。
    また、この視界ジャックというシステムは、使用していないときにも、屍人に自分の存在がバレると、一瞬だけ視界ジャックがノイズのように走り、プレイヤーはそれに気づけるようになっている。
    つまり、他のアクションゲームであるような、知らない間に敵に狙われていた、という状況がこのゲームでは存在しないのである。
    これでは、ホラーの要素が下がると思われる人もいるかもしれないが、実際は全く逆で、相手に気づかれたと気づくことにより生まれる緊張感は、凄まじい。
    メタルギアソリッドでも、相手に気づかれて「!」が出た瞬間が一番ビビるのと同じように、「気づき」を巧くホラーの要素に昇華させているのは、素晴らしい。

    また、バイオハザードのようなアクションゲームでありながら、日本人ならどこかで見たことがあるであろう、和の雰囲気を絶妙に醸し出しているのも、素晴らしい。
    あの日本独特の陰湿的な、恐さではない、「怖さ」が、音にも画にも、キャラにも表現されており、プレイを始めてから終わるまで、息詰まる感覚をずっと保ち続けていられる。
    まぁ、この辺りは、嫌な人にとっては最高に嫌なゲームだと思われるけども・・・

    そして、リンクナビゲーターシステムという、あるプレイヤーでのプレイが、他のプレイヤーのシナリオに影響を及ぼす、というのも、閉鎖的な村を表現するのに巧く使っていて、面白い。
    ただ、そのせいで、あるキャラクターで色んなスイッチを押すために動き回ったりするために、難易度が余計上がっていたり、あまりにも不可解な行動を取らなければいけなかったりと、ちょっと問題点もあるのが正直なところ。
    しかし、関わりのなかったキャラが、実は繋がっていたり、といったシナリオの幅も広げているので、もっと巧く使えばより面白いシステムになるのではないかと思う。

    そして忘れてはいけないのが、ホラー映画さながらの演出を、ゲームで、しかもムービーではなく、プレイ中にしてくれるというところ。
    掃除用具入れに隠れる、ドラム缶の後ろで屍人が通り過ぎるのをやり過ごす、トイレの個室に隠れる、などなど、どっかのホラー映画で見たことのあるような行動を、取らなければクリアできないかとも思えるように、マップや屍人の行動が設計されているところが凄い。
    あるステージでは、屍人に見つかり、トイレに逃げ込み、一番奥の個室でやり過ごそうとしたら、屍人がドアを一つずつ空けていったり、さらにはそういった屍人の行動を、視界ジャックで見ることができるなど、演出面では映画以上のクオリティを引き出せている気がする。
    もちろん、プレイ中はそんな演出どうのこうのに気が回る余裕なんてのはなくて、極度の恐怖と緊張で、死にそうになっているのだが、本当の意味で恐怖を感じられるホラーゲームだなと、改めて実感してしまう。

    敵である屍人の、気持ち悪さ、グロさ。
    隠れて忍び寄っていた敵に見つかった時の恐怖からなる恐さ。
    そして、この絶望的な村を舞台にした、実に日本に相応しい怖さ。
    ホラーというジャンルの全ての恐ろしさを内包したのではないかとも思われる、このサイレン。
    ぜひ、その手のゲームに興味がある人は、クリアできるかどうかは、一先ず置いといて、プレイして欲しいゲームだと思う。
    78点

    | うたまん | - | 17:31 | comments(0) | - | - | - |
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