ゲームに全力って、だめですか?

通称「ゲムだめ」です。
ゲーム、特に最近気になりだしたゲームデザインについて、
色々語るつもりなんですが、それだけじゃなくて日々の色々を書きそうです、多分。
カオスヘッドノア
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    カオスヘッド ノア


    すげえよ、すげえゲームだ、これは

    そんなゲームレビューらしからぬ一文を冒頭に持ってきてしまうほど、衝撃を受けたゲームだった。

    渋谷のコンテナ(ベースと呼んでいる)を住処にしている、ひきこもり一歩手前のネトゲ廃人、西条拓巳。
    彼は高校を卒業するために必要な出席数を稼ぐため、最低出席シフト表を作り、その通りの最低限の出席しかせず、それ以外はフィギュアに囲まれた部屋で、ネトゲライフを満喫していた。
    そんな彼には、幼い頃から、妙な視線を感じる瞬間があり、小学校の頃には、その視線を題材に「その目、だれの目?」というタイトルで、作文を書いたこともあるほどだった。
    そんな、少し不思議なひきこもりである彼が、最近世間を賑わせている連続不可思議事件、「ニュージェネレーションの狂気」に巻き込まれていく・・・

    というようなシナリオの、アドベンチャーゲーム。
    シナリオのジャンルとしては、サスペンスに当たると思うのだけれど、SFあり、オカルトあり、サスペンスありの内容になっているため、ジャンル選定は不可能かもしれない。

    特筆すべきは、この渋谷で起きているニュージェネレーションの狂気、通称ニュージェネの凄惨さ、ではない。
    確かにその事件の惨さときたら、どうやったらこんな事件を発想するんだ!とか思ってしまうぐらい、常軌を逸したものなのだが、それよりもさらに恐ろしいのが、主人公に襲いかかる、精神攻撃の数々。
    小学校の頃に書いた作文のタイトルであり、本来自分しか
    知らず、自分の記憶にしか残っていないと思われる「その目、だれの目」という言葉が、事件の節々に使われることに端を発し、集団ストーカーの恐怖や、幻覚の恐ろしさなどなど、妙に科学技術で裏付けされた、精神的に重たい描写が続く。
    節々にオカルト分野の用語、設定を用いていて、オカルト好きの自分としては、事あるごとに喜んでしまうのだけれど、その流れを汲んだえげつない描写がそこかしこにあり、プレイの合間に行くトイレにて、妙な恐怖感に苛まれることが多々あった。

    また、加えて主人公が極度のオタ、そしてひきこもりであるというのも、この作品の特徴の一つ。
    主人公が住処にしているコンテナ、ベースの中には美少女アニメのフィギュアが整然と並べられており、フィクションなのにも関わらず、最初のその映像で、僕は少し引いた。
    さらに、主人公の妄想でよく出てくる、アニメ「ブラッドチューン」のヒロイン、星来オルジェルと脳内で会話し、そのヒロインのフィギュアを手に入れた時の、主人公の語りが、笑えないほど気持ち悪い。
    個人的に、ゲームをプレイする際にキャラクターの声優に興味を抱くことは少ないのだけれど、このゲームの主人公の演技に関しては、声優って凄い、と思わずにはいられなかった。
    とにかく、演技が気持ち悪い、それだけひきこもりを、オタクをリアルに表現できているのだ。

    加えて、本作が他のゲームと逸している点は、一般的なノベルゲームにあるような、普通の選択肢が存在しないという点。
    所々、単純な選択肢もあるのだけれど、大半は妄想トリガーというもので選択を行う。
    これは、特定のシーンにて、ポジティブな妄想をするか、ネガティブな妄想をするか、それとも何も妄想しないか、の3種類から選択するというもの。
    当然、この妄想トリガーがストーリー展開に影響していくわけだが、特に僕が気に入ったのは、それぞれの妄想そのもの。
    というのも、結局どちらの妄想を選んでも、その妄想をプレイヤーが見ることができ、その妄想が終わると、ストーリーが再び展開されるという、フラグと妄想そのものが別になっている仕掛けのため、ストーリー展開に影響のない選択でも、妄想そのものを見ることはできる。
    その妄想そのものが、「あぁ、こういうことって考えるよなぁ」というオタクならではの共感を産むものから、えげつないもの、エロいものなどなど、突飛なものからパラレルワールドではないかと思えるものまであり、面白い。

    そのうえで、メインのストーリーは、「妄想と現実」をキーワードとしており、最初は「妄想だからテキトーに」と選んでいた選択肢が、現実に影響を及ぼすかもしれないという緊張感で、刺激的になってくる。
    ストーリーが展開していくに従って、その要素が強くなり、妄想トリガーの選択が、「ポジティブな妄想が現実になるのを望む」か「ネガティブな妄想で予防線を張っておく」か、はたまた「何も妄想しないで現実を受け入れる」のかという選択にすり替わっていく。

    そういった展開を交えつつ、
    主人公を見つめる目とは?
    ニュージェネレーションの狂気の犯人、事件の真相は?
    将軍とは何者か?
    などなどに迫っては謎が生まれるシナリオ展開にも目が離せない。
    序盤に何の気なく目にしていたものが伏線だとわかる話のうまさ、そして終盤の伏線回収も巧い。
    欲を言えば、回収しきれていない伏線があるような気もするのだけれど、それさえも設定の妙で色々と考えられるのはなかなかの巧さ。
    単純に、既に書いた特筆できる点を除いても、話の巧さで面白いと感じられるのは、流石高評価のノベルゲームだといったところ。


    正直なところ、あまりギャルゲーっぽくなく、ヒロインたちの中には、女の子である必要がないんじゃないかと思えるキャラすら存在しているため、ギャルゲーを期待してプレイすると、酷い目に遭う気がする。
    しかし、妄想を題材にした濃厚なストーリーは、誰にでもオススメしたい。
    プレイ中に、精神的なストレスを感じるかも、という注意点は必要だけれど、かなりオススメできるゲームだ。

    93点

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