ゲームに全力って、だめですか?

通称「ゲムだめ」です。
ゲーム、特に最近気になりだしたゲームデザインについて、
色々語るつもりなんですが、それだけじゃなくて日々の色々を書きそうです、多分。
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    なにこのガッカリゲー、でも大好きだ!―ダンガンロンパ
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      モノクマという悪役の声が、旧ドラえもんである、大山のぶ代であり、その他にも様々な有名声優が出演。
      高校生が学園に閉じ込められるという、クローズドサークル。
      更に、逆転裁判を意識したかのような、「訴える」ことに特化したゲームシステム、などなど。
      事前情報でかなり面白そうだと、気になっていた、ダンガンロンパ。
      ようやくプレイを終えました。

      まず、先に結論を書いてしまうと、ゲームとしては表題にもある通り、ガッカリです。
      人によってはクソゲーとも言うかもしれないぐらい、ゲームシステム的に欠陥があると言えるでしょう。
      が、それを打ち消すぐらいの、設定、世界観、シナリオ、そしてパロディにキャラクターと、物凄く魅力があることも確か、という感じです。

      ゲームは、政府公認のエリート学校、「希望ヶ峰学園」にたまたま運だけで選ばれた、超高校級の幸運を持つ主人公、苗木誠が入学するところから始まります。
      入学初日、学校まで辿り着いたものの、突如意識を失い、目が覚めるとその学園に閉じ込められていました。
      同じような状況の同級生が主人公を含め15人ほどいて、彼らは様々な超高校級の異名(野球選手にアイドル、ギャンブラーから同人作家まで)を持っています。
      その15人が集まったところで、学園町を自称する妙なロボ、モノクマに、一生学園の中だけで生活すること、そしてそれが嫌なら殺人を犯し、他の同級生にバレることなく学級裁判を通過できれば、その殺人犯のみは、卒業という形で学園から出ることができると告げられます。
      そうして、15人の、奇妙な学園生活が始まるのです。

      「2.5Dモーショングラフィック」と称される、3D空間に2Dのアニメキャラが描かれているため、当初は見た目の印象がかなり新鮮だったけれど、基本的には普通のアドベンチャーゲーム。
      先に挙げた逆転裁判や、その他数多の推理ゲームと同様に、殺人事件が起こったりして、学園内の主に事件に関係する部分を調べていくというもの。
      その後、学級裁判と言われる、クラスメイト全員で事件と犯人について話し合う時間に移行。
      話し合いの結論後、投票によって犯人を決め、それが正しいかどうかを、監視カメラを通して事件を見ている学園長モノクマにジャッジしてもらうという流れです。

      で、この学級裁判のシステムが、もう全体的に悪いです。
      多分「静」の場面の多いアドベンチャーゲーム、推理ゲームに、「動」の場面を作ることで、逆転裁判とは別のベクトルでの面白さを狙ったんだとは理解できますが、もうベクトル間違いすぎやろ、と突っ込みたくなるほどダメです。
      なにせ、文章を読んでいくタイプのゲームに、無理矢理シューティングや音ゲーの要素が混ざってます。
      しかも、トリックや謎解きの難易度が低いことも相俟って、ほとんどのミスがこのシューティングか音ゲー要素によって多発されます。
      加えて、一度間違えたり見逃すと、会話を最初からやり直さなければならない面倒さが、スキップ機能で帳消しになるどころか助長される始末。
      話の展開が遅く、推理の難易度も低すぎる序盤は、何度もゲームを止めてやろうかと思いました。
      それぐらい、学級裁判のゲームシステムが、面白くない、どころかイラつきます。


      しかし、何度でも言いますが、そのムカつきを乗り越えてプレイしたくなるほど、シナリオやキャラクターがよく出来ています。
      閉じ込められた学園の中で起こる殺人、それを解きながら、そもそも何故主人公たちは閉じ込められているのか?という謎に迫っていきます。
      その重大な謎について、序盤から伏線を張りつつ、モノクマによってちょいバレしつつ、惹きつけていく巧さがあります。

      それぞれの事件についても、そして最後に明かされる作品を通した謎についても、プレイ中は納得できないことも出てきます。
      しかし、その後の展開や、明かされていく設定、元々の設定などなどで、それらの無理を巧く通しているのは、正に設定の妙でしょう。

      最後の展開も、数々の伏線が見事に回収され、一本に繋がっていく様は、純粋に巧い物語だなぁと思いますし。
      もっというと、これのためにゲームシステム作ったんじゃねぇの?とか勘繰ってしまうほど、その演出にはシビれました。
      まぁ、正直1章の時点で思いついてしまったオチだったので、最後のオチはそれほど驚かなかったわけですが、そこへ持っていく展開の巧さは素晴らしいです。
      いろんな矛盾とか設定とか、巧く収拾しているので、序盤のプレイのムカつきはどうでもよくなるほどに、物語にのめり込めました。

      更に、このムカつきを乗り越えていけたのは、単純にキャラクターたちに魅力があったから、だとも思います。
      それこそ序盤に関しては、謎解きの難易度が低いこともあって「超高校級の奴らは、1つに凄いだけでバカが多いなぁ」とか思っていたんですが、よくよく考えれば高校生ですし、シナリオが進む度に、それぞれのキャラ毎の話が聞けたりもして、なんとなく青春の片鱗も感じられたり。
      このシナリオが進む際の、自由時間にキャラクターシナリオみたいなのが聞けて、しかも学級裁判で使えるスキルが手に入るというシステムは、凄く良かったと思います。
      ペルソナ3か、ガンパレードマーチをプレイしてる気分になりましたね、伝わるか分かんないけど。

      あとはやはり、ちょいちょい挟んでくるブラックジョークと、パロディでしょうか。
      「そこでそれ言っちゃう!?」と思うようなダークなノリも、結構出てきて、ダメな人も多いでしょうが、僕はこういうノリは好きなので、特に腐川辺りが気に入りました(自分でも予想外ですが、一番ギャップが凄いんだ、仕方ない)
      パロディの方は、対象年齢どこなんだろう?と思えるようなネタも多くて、「タイラント」は全然いいけど、「ザナドゥ」辺りは分かる人いるのか?と心配になるほど。
      あとは台詞にパロディが入ってるのが新鮮で、モノクマから「時を駆けちゃうの?」とか言われた時は、思いっきりドラえもんの声で脳内再生して、吹いてしまいました。


      とまぁ、色々と語るところはあるんですが、この辺で。
      結局、ゲームとしてはガッカリな感じだけれど、それを帳消しにするぐらいのキャラクターとシナリオ展開があります。
      で、ブラックジョークが嫌いじゃない人なら、比較的入りやすいので、挑戦してみてもいいと思います。

      ただ、挑戦する前に、全6章で、覚悟を決めたら4章ぐらいまではプレイすることをオススメします。
      まず全6章というのを知っておくことで、「いつまで続くんだ」という不安を消します。
      更に、4章までは正直、上記システムの悪さと、シナリオの展開のまったり感で、止めたくなる可能性もあるんで、その辺はご注意を。

      にしても、ある部分は30点ぐらいなのに、他の部分が100点近いゲームって、どう評価していいのやら。
      点数制の限界を感じて、ファミ通のクロスレビューを責められませんが、間を取っておくことにします。
      少なくとも、僕は点数無関係に、楽しめたぞ!とか言い訳をして。

      75点
      | うたまん | ゲーム | 20:27 | comments(2) | - | - | - |
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        学級裁判に限らず演出とかはBGMとかは良いと思いました。
        2Dと3Dのゆうごうとか、裁判でぐるぐる回るのとかカッコいいですw
        けれど私はどちらかといえばストーリーのほうがダメでしたねぇ・・・
        システムのほうはどーせ逆裁の二番煎じだと思って買いましたから別に文句はないです
        それより最後、中途半端なまま話がフェードアウトするの・・・あれこそがっかりでした
        悪役の人の論理にも魅力がないし。。こういうのって悪のカリスマが大切なんですけどね。。
        上から目線で説教かましてくるわりに、主張の内容は軽薄だし行動にも根拠や説得力が皆無・・・
        まずセリフがスタッフ側の中二的持論の押し付けってカンジなのが透けえ見えるあたり、いただけないですよね
        ラストがいちばんそれを物語ってますよね、おいてきぼりにして逃げちゃうようなあの感じ
        | むるるむい | 2011/07/16 8:43 PM |
        コメントありがとうございます!

        確かにシステムは元々期待しなければ、それほどストレスになることもなかったのかな、とは僕も思いますね。笑
        でも、やっぱり演出とかBGMとかは確かに良いんで、システム周りも期待してしまったかなぁ、という感じです。

        ストーリーの問題点も、仰る通り過ぎて反論できないなぁ、という感じです^^:
        ただ、個人的には現役高校生のお話という点で、その浅墓さはワザとなのではないかな、とも思ったり。
        そんな浅墓で、中二病過ぎる持論を、楽しむストーリーなのかなと思います。
        ラストの語らない演出も、確かに説明不足過ぎるのは間違いないですが、あれはあれで想像の余地があって僕は好きですね。
        | うたまん | 2011/07/20 6:38 AM |









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